株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
現在、日本経済は緩やかに回復しており、先行きについても雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって緩やかな回復が続くことが期待されております。
しかしながら、OECD加盟諸国の労働生産性を比較すると38か国中、日本は30位という低い順位であり、日本人の給料は低いと言われています。これは労働生産性が低いためです。
では、労働生産性が低い理由は何かというと、付加価値が高い仕事ができていないこと、最たるものは管理部門のルーチンワークです。給与計算をホワイトカラーの社員がやっているのですが、本来は付加価値が高い採用や人事などの戦略業務をすべきです。
国としてもホワイトカラーの生産性を向上するよう舵を切られておりますので、この生産性向上の解決策としてのアウトソーシングは今後ますます注目されると考えております。
当社は1997年4月に当時日本では一般的ではなかった給与計算のアウトソーシング事業を行う企業として設立し、2006年には給与計算アウトソーシング専業としては初の株式上場(札幌証券所アンビシャス)し、その後、2020年には東京証券取引所JASDAQ(現スタンダード)に上場し、国内トップクラスのアウトソーシング実績を積み上げてまいりました。
現在は年末調整の受託数が好調であり、約1300社、約80万人超の年末調整を処理していますが、この処理人数は前々期比で約10万人以上の増加となります。また、前述の約80万人超のうち、ほとんどの方が看板商品「簡単年調」を利用しております。
今後のビジョンとして、当社は受託人数と売上において日本一を目指しております。
そのために、まずは既存のお客様に対し圧倒的なコストパフォーマンスの高品質サービスを提供し、顧客企業社員向けのサービスを拡充することで支持拡大を図ります。その信頼をもとに、新しいお客様からの受注も増加させていきます。
もう一つは大企業からの給与計算の受託拡大です。もともと当社は札幌発祥ですので、札幌の地元企業の受託から業務を始めておりますが、40%弱はまだ従業員規模約50名の会社です。しかしながら「簡単年調」をきっかけに1万人以上の規模のお客様と取引ができるようになってきております。
「簡単年調」をフックにして給与計算につなげていくことで、既存のお客様の売上拡大と大企業の受託を増加させていきます。
この両面を行うことによって、給与計算のアウトソーサー日本一を成し遂げたいと考えております。
また、これらの活動を下支えするために高品質・高生産性プロセスの追求をする必要がありますが、常日頃標準化を進めており、さらに踏み込んだプロセスのシステム管理化に取り組んでおります。プロトタイプを一部稼働させていますが、毎月給与計算をさせていただいている約500社13万人にいかに広げていくかが今後の課題となっています。
年末調整に関しましては、一層高品質・高生産性を進めておりまして、今約80万人超を受託しておりますが、現時点の体制でも約150万人の受託ができる余裕のある体制が築けております。
将来的には給与計算のアウトソーシングのみならず、すべての日本企業から管理部門のルーチンワークをなくすべく、「バックヤード業務のソリューションプロバイダー」 として付加価値の高いサービスの提供を行ってまいります。
株主の皆様におかれましては、引き続き一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。